LEICA Typ240 写真作例 オールドレンズ
p and w

写真を撮ることが楽しい。できればずっと、ファインダーを覗いてシャッターを切っていたい。撮るための準備。撮っている瞬間。撮った後の仕上げ。すべての時間が苦しくも愛おしい写真との時間だ。琴線に触れるものを探し、カメラを構え、ピントと構図と露出を決めてシャッターボタンを押す。ただ、それだけのことなのに、飽きずに夢中になれるのは何故だろうか。我々が暮らすこの世界は、薄汚れていて、くだらなく、陳腐で、滑稽だ。しかしカメラを持ち歩いて、何気なく通り過ぎる日常の世界で、普段足を運ぶことのない遠くの場所で、フラットな心で被写体と対峙していると自分にとって新しい何かが見えてくる。客観的な事実を追いかけるのではなく、主観的な印象とその奥に潜んでいる何かをつかまえることができると、写真を撮ることが面白くなる。その行為にゴールはない。同じものを違う日に撮れば違った表情になるし、撮る側の心持ちが変われば写真の撮り方も変わってくる。同じ写真でも見る人が受ける印象は様々で、美しさや面白さの定義は常に流動的でふわふわと空に浮いた雲のようだ。明確なゴールなどはじめからないのだから、ゴールは意識せず経過を楽しんだ方がいい。機材選びに悩んだ時間。感性が合うレンズとの出会い。撮り方の工夫。ロケーションまでの道のり。うまく撮れなかった写真の数々。それらすべてを、写真を撮ることの目的にする。晴れの日も、雨の日も、成熟した理性と感性で子供が遊ぶように夢中になって写真を撮っていたい。