花の誘惑 無口な美人

2018.06.16

花の写真01:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

写真が趣味、という人で花の写真を撮ったことのない人は恐らくいないだろう。花の写真ばっかり撮る人も多い。僕も例にもれず沢山花の写真を撮ってきた。特別に花が好きというわけではない。花の名前は数えるほどしか知らないし、生花を買ってリビングに飾ることもない。それでも花を見つけるとパシャっと撮ってしまう。

花の写真を撮る1つの理由として「花は撮りやすい」というのある。公園や植物園では多くの種類の花に会えるし、その辺を歩いていても道端に咲いていたりもする。モデルと違って何時間でもじっとしていてくれるし、ほとんどの場合、著作権に触れることもない。そして何と言っても、絵になる。うんざりするほど沢山撮っても、なかなか飽きない。美しく、可憐で、時折妖艶で、時折切ない。それが花の魅力である。

花の写真02:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

花の写真03:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

花の写真08:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

花の写真を撮っていると、その細かな造形や絶妙な配色に心を奪われることがある。「よく出来てるなぁ」と頭の中でつぶやきながらそのデザインに引き込まれ、何も考えず記念撮影のようにシャッターを切ってしまう自分がいる。いやいや、こんなスマホで撮ったような写真ではつまらん、と我に返ってベストなアングルを探す。

花の写真10:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

花の写真04:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

花の写真05:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / M.ZUIKO 25mm F1.8

僕は無宗教だが無神論者ではない。花や植物の絶妙なデザインを見るとき、創造主の卓越した造形能力のを感じてしまう。美意識が高く、超合理的。それでいて遊び心に溢れている。神とはそういうものなのだろう。自然界の創造主のことを人の言葉にあてはめて定義したのが宗教というものだが、人の領域を遥かに超えた存在を人の脳で定義しようというのは無理がある。宗教が嫌いだ。だが自然の中にある美しいものに触れたとき、その創造主をもっと「尊敬」してもいいんじゃないかと思うのである。

花の写真06:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

花の写真07:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

マイクロフォーサーズのPEN-Fで撮影すると、画角がフルサイズカメラの半分になる。25mmのレンズで撮れば50mmの画角、50mmのレンズで撮れば100mmの画角。画角が狭くなるということは、被写体がトリミングされて拡大するということで、これが花を撮るにはとてもよい。公園や植物園で花を撮るとき、隣にあるものや背景にある邪魔なものを画角に入れずに写真を撮りたい。マイクロフォーサーズは画角が狭いので、魅力的なものを部分的に切り取る撮影にとても向いていると思う。

花の写真09:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

オートフォーカスのレンズではなく、マニュアルレンズで花を撮るのもなかなか楽しい。コシナのマニュアルレンズ「VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC」はライカMマウントなので最短撮影距離が長く、花に近づいて撮影することができない。そこでHawk’s Factoryのヘリコイド付きのマウントアダプターでPEN-Fに取り付ける。これでぐっと近寄って撮影ができる。VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SCとヘリコイド付きマウントアダプターの組み合わせは、花を撮るには素晴らしい組み合わせだと思う。

花の写真11:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

僕の母は弾丸のようによく喋る人で、もちろんいい面はあるのだけれど正直うるさくて仕方がない。親の気質は必ず子に遺伝されるわけで、僕も時々喋りすぎてしまうことがあって「品がないな…」と反省してしまう。多く言葉を発することなく、物事がうまくいくならその方がいい。言いたいことをダラダラと並べて何も進展がない打ち合わせや、口数は多いが真意が伝わらない会話は不毛だ。よく話すというのは悪いことじゃないけれど、度が過ぎれば品がない。

それに反して何も語らなくても、いるだけでその場を変えてしまう人もいる。花もそうだ。花は植物だから、もちろん何かを話すことはない。いい香りで注目を促し、何も語らなくても見る人をうっとりとさせる。まさに無口な美人である。押し付けがましくなく、しっかり自立していて、美しい。人の美人はそれなりに厄介だけど、花は僕らにとても寛容だ。うまく写真が撮れなくても「嫌いになった」とは決して言わないし。

花の写真12:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC